ニーマンウォームギヤ
使いやすい円筒ウォームにして
最⾼の性能と信頼性を提供する直交系ドライブ
ニーマンウォームギヤは、ミュンヘン⼯科⼤学ニーマン教授が考案した画期的な「ニーマン⻭形」をベースとした、組⽴などの扱いが容易な円筒ウォームギヤです。
ニーマン⻭形は、ウォーム側の⻭形を特殊な凹円弧にし、ウォームホイル⻭形をこれに共役な凸⾯にて接触させる事、および⼀種の転位⻭⾞とする事により得られる⾼性能が特徴で、このニーマン⻭形の採⽤は国内唯⼀であり広く産業界から⾼い評価を得ています。



ニーマン⻭形の優位性
(1)⾯圧強度が強く、寿命が⻑い
ウォーム(凹⾯)とウォームホイール(凸⾯)との接触のため、相対曲率半径が⼤きくなり、許容⾯圧を⼤きくすることが可能であり、負荷能⼒が向上します。


(2)曲げ強度が強い
ウォームの⻭を弱めることなく、相対的に強度の低い材料のウォームホイルの⻭元⻭厚を厚く出来るため、ギヤ対としての曲げ強度を向上することが出来ます。

(3)⾼効率・低摩耗・⾼い耐久性
ウォームとウォームホイルとの同時接触線をすべり⽅向に対して直⾓に近い⾓度にできるため、潤滑油膜の形成が容易であり、⻭⾯間の摩擦係数が⼩さく伝達効率が⾼くなります。 また、摩耗が少なく耐久性に優れています。

複リードウォームギヤ
⾼い回転精度を実現しながら、バックラッシの
調整を可能に
複リードウォームギヤは、左右両⻭⾯のモジュールにわずかな差を与えて、⻭⾯のリード、進み⾓が若⼲異なる構造とすることで、バックラッシの調整を可能にした円筒ウォームギヤです。
円筒ウォームギヤは、組付け位置を軸⽅向に変化させても⻭のかみ合いに悪影響を及ぼさないため、理想のかみ合い状態を崩さずに簡単にバックラッシの調整が出来るウォームギヤとして、各種⽤途の機械に多数採⽤されています。




ウォームギヤの豆知識
1ウォームギヤの構成部品

2ウォームのねじ⾯
ウォームのねじ⾯は、加⼯法によりISO で5 種類の⻭形が規定されています。
A 形、N 形は、旋盤などで加⼯されたねじ⾯であり、K 形は、円すい⾯のフライス⼜は砥⽯を⽤いてフライス⼜は研削により加⼯されたねじ⾯です。I 形は、軸直⾓平⾯上でねじ⾯がインボリュート曲線になっており、平らな⾯のフライス⼜は砥⽯で加⼯することが出来、更に⼀種の⻭数の少ないハスバ⻭⾞であるから、バイト切削⼜はホブ盤でホブ切りすることも可能です。C 形がニーマン⻭形で、凹⾯のねじ⾯を形成するために曲⾯を有する円盤フライス⼜は砥⽯を⽤いて加⼯を⾏います。

ウォームホイル⻭⾯は、ウォームねじ⾯の創成運動によって⽣成されていますので、異なる⻭形同⼠のウォームとウォームホイルでは、正しくかみ合わせることが出来ないので注意が必要です。
3ウォームギヤの特⻑
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コンパクト構成
ウォームギヤは、⾷い違い軸⻭⾞として⼊出⼒の軸⽅向が異なっているので、装置全体をコンパクトに構成することが可能となります。

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⾼減速⽐
ウォームには、円筒ギヤの様な製造上の最⼩⻭数制限が無く、⻭数1枚の⻭⾞に相当する1条のウォームから製作することが可能なので、減速⽐が⼤きくても相⼿ウォームホイル⻭数を少なくすることが出来ることより、1組のかみ合いで⼤きな減速⽐を実現することが可能です。
ウォームギヤとヘリカルギヤの各速⽐の⻭数⽐較
速比 | ウォームギヤ | ヘリカルギヤ |
---|---|---|
5 | 5条/25枚 | 15枚/75枚 |
10 | 3条/30枚 | 15枚/150枚 |
50 | 1条/50枚 | 15枚/750枚 |

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回転⾼精度、低振動、低騒⾳
噛み合い周波数が低いことから⾓速度変動が⼩さく、またウォームの連続したねじ状⻭⾯による相⼿ウォームホイル⻭⾯へのスムーズな滑りを伴う動⼒伝達により、回転⾼ 精度、低振動、低騒⾳な運転を⾏うことが可能となります。
歯数 | 入力回転速度 | 角度伝達誤差 | 角速度変動 | |
---|---|---|---|---|
ウォームギヤ | 5条/25枚 | 120min-1 | 10arcsec | 0.0015rad/sec |
ヘリカルギヤ | 15条/75枚 | 120min-1 | 10arcsec | 0.0046rad/sec |

4ウォームねじれ⽅向による回転の向き
ウォームのねじれ⽅向には、右ねじれと左ねじれの2 種類がありますが、そのねじれ⽅向によって、ウォーム軸の回転⽅向が同じでも、相⼿ウォームホイルの回転⽅向が異なりますので注意が必要です。
